佐藤透は1960年に神奈川県に生まれ、横浜市立大学文理学部を卒業後、東京ガラス工芸所でガラス制作技法を学びました。現在は千葉県山武郡に工房を構え、コア技法で作品制作を続けています。
コア技法は、紀元前16世紀のメソポタミアに始まり、吹き技法の発明以前に西アジアやエジプトで広く用いられた古代のガラス製法で、石膏等で作った芯(コア)の回りにガラス棒を熔かしながら巻きつけて、除冷後に芯を抜き取るものです。約2000年前に途絶え幻となったこの技法を試行錯誤の末に体得し、独自の創作世界を築き上げたのが、佐藤透のコア・ガラスです。
コア技法ではガラスが熔けた状態のまま芯に固定されているので、色とりどりのガラス棒を熔かしながら表面に貼りつけ、動植物や幾何学文様など繊細な装飾を自在に施すことができます、でき上がった文様のきめ細かさは絵付けと見まがうほどです。古代のコア・ガラスにない素地の薄さ、また落ち着いたマットな質感も佐藤作品の大きな特徴です。
色彩と文様が響き合い軽やかなリズムが感じられる、全く新しいコア・ガラスの世界をご堪能ください。
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